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シドニーへS Setの葬式鉄に行った話(4)―極寒!セントラルコースト撮影行

(・∀・)

ブルーマウンテンズ撮影行脚の翌朝。またセントラル駅に5:20過ぎに到着し、今度はセントラルコースト&ニューカッスル線(CCN)の各駅停車に乗り込みます。車両はオスカーの4両。昨日のBMTと同じく、蛍光色のベストを着た現場作業員が大量に乗車しています。

7時前にホークスベリーリバー(Hawkesbury River)駅に到着。ここはシドニー都市圏とセントラルコーストを別つコワン峠を、セントラルコースト側へ下ったところの最初の駅です。

駅歩5分のお手軽撮影地へ到着。ホークスベリーリバー駅が位置するブルックリン地区には、マリーナや近隣の島への渡船乗り場があり、多数の船が係留されています。ただし7時前だけあって車の出入りも少なく、近隣住民が散歩やランニングしに来ている程度の交通しかありませんでした。
まだ日が出きっておらず、空はぼんやりと明るくなっているだけです。

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少しずつ日が出てきました。CCNを走るV Setの4連運用(=各停)はあまりなく、大半がオスカーが4連運用を務めます。オスカーはドアカット機能を備えているので、CCNに沢山あるプラットホームが極端に短い駅(各停しか止まらない)での取り扱いを考慮し、4連運用に集中的に投入されているんでしょう。
それにしても海沿いなので本当に寒い。ヒートテックを重ね着しても外気温が0℃近いので、日が差してくるまでは本当に苦行を強いられました。

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完全に日が差してくると、冬の朝は側面ギラリになってくれます。V Setはオスカーとは違ってコルゲートだらけで、側面がツルツルのコルゲート部分に綺麗に日光が当たるとこんな風になります。
V Set万歳。

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ちょっと立ち位置を変えました。V Setが美麗なのは言を俟たないですが、タンガラ譲りの側面黒塗りデザインを持つオスカーもデザインとして一種の完成形に達していると思います。CCNはVもオスカーも見られて本当に楽しい。

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ズームしました。ここの良くないところは線路位置の関係で朝は絶対に前面に日が当たらないのと、とにかく色々な「棒」が刺さること。日が高い夏は夕方になれば面には光が当たりますが、側面は丸潰れです(ホークスベリーリバー駅の駅先は順光ですが狭すぎます)。その代わり、日没時にここで流し撮りをやれば大変幻想的な写真が撮れるらしいので、今度行ってみるつもりです。

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広角でやるとこんな感じ。これくらいまで日が出ると段々温かさを感じられるようになってきますが、海風が吹くと一気に極寒の地へ逆戻りです。
今までの写真をご覧いただいてもわかる通り、朝のV Setの運用は9割方8連です。CCNの朝ラッシュでは、ストラスフィールド経由でセントラル止まりとなる「正調」の系統と、ノースショア線を経由してシドニー中心部へ直接乗り入れブラックタウンへ抜ける系統の2系統が設定されます。Vは前者にしか充当されない一方、後者は停車駅が多いため、詰込みが利くオスカーしか運用されません。

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こんな水際から撮影します。セントラルコースト線の名に恥じない、数少ない「水」と電車を絡められる撮影地です。
CCNはコーストと路線名に入れられているにもかかわらず、殆ど海べりは走行しません。ここも厳密にいえばホークスベリー川の河口近くです。ペンリスからリスゴーまで本当にブルーマウンテンズ山脈を走るBMTとは大違いです。

9時近くになると電車の本数も大きく減少するので移動します。

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折角なので、CCNを完乗することにしました。ここは終点ニューカッスル・インターチェンジ(Newcastle Interchange)駅の一つ手間、ハミルトン(Hamilton)駅。旧ニューカッスル駅が廃止となった2014年からインターチェンジ駅が完成した2017年まで、ハミルトンが暫定的な終着駅とされていました。
現在もCCNと、石炭やワインの産地として名を轟かすハンターバレーを走る「ハンター線」の分岐駅として多くの乗客を捌きます。
写真はエンデバー(Endeavor)型のディーゼルカー。前日見た「バサースト・バレット」に充当されたものと型は同じですが、こちらはNSW TrainLinkの新塗装へ塗り替えられている車両です。

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終点ニューカッスル・インターチェンジ駅へ到着。
当駅の正式な所属路線は「ニューカッスル線」。いかにもニューカッスルの中心へ到達していそうな路線名ですが、当駅は中心部の外れに位置します。これは、当駅から先の中心部へ至る区間が2014年に廃止された故の結果です。
2017年に再開業した当駅は、旧線上のウィッカム(Wickham)駅とほぼ同位置に存在します。かつてこの先ではシビック(Civic)、ニューカッスルの2駅が営業していました。
旧ニューカッスル駅は櫛型3面4線の構造でしたが、ここは西武新宿駅と同じ2面3線櫛型ホームとされています。

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何故中心部区間が廃止されたのか? それはこの路面電車「ニューカッスル・ライトレール」を通すため。
「電車が海沿いの地区とCBDを分断している」との批判は1980年代から何度か表面化していました。しかし、2000年代に入りCBDの活力低下や再開発の機運の高まりを受け、正式に一部区間の廃止が決定されました。
その廃止とセットになっていたのがこの路面電車の開業でした。路面電車ならば、一般鉄道よりもCBDに小刻みに停留所を設けることができ、しかも大量輸送が可能。その利点を活かし路面電車を開業させることとなったのです。

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ここニューカッスルの路面はシドニーの現存路線とは一味違い、架線がありません。車両に電池を積み、写真のような各停留所の充電設備を用いて充電したうえで、1駅間を充電した電力で走行します。
シドニーで今度新たに開通する路面電車にも無架線地帯(タウンホール駅周辺)が設けられますが、そちらは路面の集電パネルを通じて常時受電する仕組みが採用されています。ニューカッスルの方が少々先進的に見えますね。
また、車内に「サーフボード置き場」が設置されているのも、土地柄を反映した面白い特徴です。

かつてCBDにはシビック駅とニューカッスル駅の2駅しか鉄道駅が無かったところ、路面電車はハニーサックル(Honeysuckle)、シビック、クラウンストリート(Crown St)、クイーンズワーフ(Queens Wharf、旧ニューカッスル駅相当)、ニューカッスルビーチの5駅に停車します。全線走破に13分程度を要しますが、美しい街並みをのんびり眺められるので、飽きることは無いと思います。
クイーンズワーフ駅の目の前にはニューカッスル駅跡が整備されたうえで残されており、今でもプラットホームや駅舎に入ることができます。駅跡ではイベントも行われているようでした。

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終点ニューカッスルビーチ停留所。架線が無いので違和感しかありません。
当駅周辺は住宅地で、古くからの建築物や小さな飲食店が立ち並ぶほか、少々歩けば日本軍との戦争史跡・スクラッチリー砦もあるので観光拠点としても活用できます。ここからニューカッスルビーチまでは徒歩2~3分です。

※どうでもいいですが、ニューカッスル周辺はグーグルマップの航空写真がまだ古いままで、未だにこの路面電車はおろか旧ニューカッスル駅とそこに大量のV Setが停車している光景が見られます。

この後、V Setの中でもボロ揃いのV25+V27編成8連でシドニーへ戻ったのでした。

次回は色々すっ飛ばして、大トリ・S Setのさよなら運転を紹介する予定です。
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