-142- 韓国鉄道公社東海南部線の旅(1)
ついに社会人になってしまいました。当分多忙になることが予想され、しかも電車を撮る暇は皆無になるでしょうから、しばらくはストックから記事を更新していきます。
先日の韓国行一人旅の時に、韓国鉄道公社(以下、KORAILと表記)旧東海南部線(トンへナンブソン、現東海線)のムグンファ号の葬式鉄をしてきました。一部情報によるとムグンファ号は2020年を目途に全廃となる模様で、割と慣れ親しんできた赤と青(昔は赤と黄色)の列車に一度乗っておきたいと思い、18切符で関釜フェリーに半額で乗れるキャンペーンを利用して出国したのです。

慶州駅。かつての東海南部線の起点駅です。日本統治時代の1936年に朝鮮の建築様式を模倣して建てられた同駅舎ですが、現在でも綺麗に手入れされ使われ続けています。

駅舎内部。切符売り場、待合室、売店が併設されており、乗客は発車時間近くに放送が流れるまでここで待機しています。もっとも電鉄線(概ねICカードで乗れる範囲)以外の大半のKORAILの駅では、欧米の駅のように改札を廃止しているため、入線時刻より前にホームに出ていても何も問題は有りません。

慶州駅プラットフォーム。KORAILの大半の路線は日本統治時代に整備されたため、左側通行となっています。しかしこの駅構内は右側通行となっており、釜田(釜山)方面が西側のホームに、大邱方面が東側のホームに発着します。
このとき私が立っていたのは釜田方面ホームで1・2番線。向かいは3・4番線で、4番線には自動車輸送列車が停車していました。ウィキペディアではこれら2面4線だけが存在するという書き方がされていますが、その他にも貨物列車用の側線やヤードが大量に存在しています。

乗車するムグンファ号1787列車は1分遅れで入線。一般的な客車けん引のムグンファ号ではなく、短・中距離列車(起点から終点までが2時間前後)でよく見られるディーゼルカーによる運転でした。
この気動車は以前は「通勤列車」という特別料金不要の種別で使用されており、系列名も9501系とされていましたが、現在は電鉄線の営業範囲が広大化し、ディーゼルカーを使用した「通勤列車」は殆どの地域で廃止されました。そこで余剰になった9501系の多くが、老朽化した旧ムグンファ号用気動車の取替に充てられるために大幅な改造を受け、車両番号を9000番台に改められたのです。

車内。通勤列車時代の面影は非常に薄く、全席がリクライニング付き転クロに取り換えられています。また用途変更に伴いドアが片側2か所から1か所に削減されていますが、その部分は車内からでは窓割を意識して見ないと全く気付きません。走行音も比較的静粛ですし、正直値段にしてはかなりレベルが高い接客設備を備えていると言えましょう。
ちなみに写真が暗いのは設定ミスなどではなく、実車の照明が本当に薄暗かったため。それと心地よい揺れで、せっかくの道中なのに居眠りしてしまいました。
慶州駅からは新線への移転が計画されている、東海南部線開業以来の区間をゆっくりと走っていきます。韓国の鉄道と言えば、綺麗に整備された線路を電車が行き交う中大量の長距離列車が合間を縫って走る、というソウルでの光景を想起する方も居るでしょうが、さすがにここまで来ると「単線・非電化・踏切多数」とそのイメージとは全く違う風景しか見られません。しかし単線ながら沿線には蔚山という大工業都市を抱えているため、貨物列車を含めると多くの列車が同線を走行します。そのため頻繁に列車の行き違いが見られました。
太和江駅(テファガン、旧蔚山駅)が近くなると、綺麗な工場夜景が車窓左側に広がる一方で、右側には街明かりが広がるという贅沢な風景も見られ、何も考えずにボーっと車窓に魅入っていました。
(つづく)
先日の韓国行一人旅の時に、韓国鉄道公社(以下、KORAILと表記)旧東海南部線(トンへナンブソン、現東海線)のムグンファ号の葬式鉄をしてきました。一部情報によるとムグンファ号は2020年を目途に全廃となる模様で、割と慣れ親しんできた赤と青(昔は赤と黄色)の列車に一度乗っておきたいと思い、18切符で関釜フェリーに半額で乗れるキャンペーンを利用して出国したのです。

慶州駅。かつての東海南部線の起点駅です。日本統治時代の1936年に朝鮮の建築様式を模倣して建てられた同駅舎ですが、現在でも綺麗に手入れされ使われ続けています。

駅舎内部。切符売り場、待合室、売店が併設されており、乗客は発車時間近くに放送が流れるまでここで待機しています。もっとも電鉄線(概ねICカードで乗れる範囲)以外の大半のKORAILの駅では、欧米の駅のように改札を廃止しているため、入線時刻より前にホームに出ていても何も問題は有りません。

慶州駅プラットフォーム。KORAILの大半の路線は日本統治時代に整備されたため、左側通行となっています。しかしこの駅構内は右側通行となっており、釜田(釜山)方面が西側のホームに、大邱方面が東側のホームに発着します。
このとき私が立っていたのは釜田方面ホームで1・2番線。向かいは3・4番線で、4番線には自動車輸送列車が停車していました。ウィキペディアではこれら2面4線だけが存在するという書き方がされていますが、その他にも貨物列車用の側線やヤードが大量に存在しています。

乗車するムグンファ号1787列車は1分遅れで入線。一般的な客車けん引のムグンファ号ではなく、短・中距離列車(起点から終点までが2時間前後)でよく見られるディーゼルカーによる運転でした。
この気動車は以前は「通勤列車」という特別料金不要の種別で使用されており、系列名も9501系とされていましたが、現在は電鉄線の営業範囲が広大化し、ディーゼルカーを使用した「通勤列車」は殆どの地域で廃止されました。そこで余剰になった9501系の多くが、老朽化した旧ムグンファ号用気動車の取替に充てられるために大幅な改造を受け、車両番号を9000番台に改められたのです。

車内。通勤列車時代の面影は非常に薄く、全席がリクライニング付き転クロに取り換えられています。また用途変更に伴いドアが片側2か所から1か所に削減されていますが、その部分は車内からでは窓割を意識して見ないと全く気付きません。走行音も比較的静粛ですし、正直値段にしてはかなりレベルが高い接客設備を備えていると言えましょう。
ちなみに写真が暗いのは設定ミスなどではなく、実車の照明が本当に薄暗かったため。それと心地よい揺れで、せっかくの道中なのに居眠りしてしまいました。
慶州駅からは新線への移転が計画されている、東海南部線開業以来の区間をゆっくりと走っていきます。韓国の鉄道と言えば、綺麗に整備された線路を電車が行き交う中大量の長距離列車が合間を縫って走る、というソウルでの光景を想起する方も居るでしょうが、さすがにここまで来ると「単線・非電化・踏切多数」とそのイメージとは全く違う風景しか見られません。しかし単線ながら沿線には蔚山という大工業都市を抱えているため、貨物列車を含めると多くの列車が同線を走行します。そのため頻繁に列車の行き違いが見られました。
太和江駅(テファガン、旧蔚山駅)が近くなると、綺麗な工場夜景が車窓左側に広がる一方で、右側には街明かりが広がるという贅沢な風景も見られ、何も考えずにボーっと車窓に魅入っていました。
(つづく)
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